その数日後…。
上司のCさんから突然メールが来ました。 その内容は…。
「再度明言するが、今回の件についての会社の見解としては、落ち度はなかったと考える
出来るだけ納得してもらえるよう、円満に解決できるようにと、努力をしてきたつもり
本来直接関係のない横田さんの事務所への呼び出しについても異議を申し立てることなく、代表の代理として出向き、1時間以上にわたる話し合いをした
次に通常ではあまり考えられない、取引後の売主・買主の直接面談という要望にも、なんとかお願いし実現させた
そして、本来ではまず行わない、会社の内部規定である「業務マニュアル」の一部を開示するつもりだった
しかし、この度のメールで話が全く振り出しに戻ったかのごとくの内容で、正直驚いている
マニュアルの事についても、まるで会社に今回の件の原因があり、その対策として改善すべしというような発言は、そのまま受け入れるわけにはいかない
従って、開示の予定は、取りやめさせていただく
なんとか円満に終結を迎えるため努力してきたが、全く誠意が伝わっていなかったことを痛感した
今後、何度話し合いの場を持ったところで、平行線をたどるのでは 」
と丁寧な口調で、しかし淡々と書かれていました。
メールは次のような言葉で締めくくられていました。
「今後もお客様にご満足頂ける業務を第一目標として行って参ります、とのメッセージをお送りし、私共の最終の回答とさせていただきます。」
私達は期待していただけにとてもびっくりしました。
でも、もう最終の回答と言ってきているし、もうこれ以上は無理だなと思いながら、とりあえず私達の思いを後日Cさんあてにメールを、社長には手紙を送りました。
以下 社長あての手紙
( その後の経緯説明のあと )
「ただ、今まで正式な文面としては、何もいただいておらず、会社として、また社長の見解として落ち度はなかった、一連の私たち買主への対応についても、問題がないのなら、その言葉を文面としていただければ、と思い書きました。
御社に直接的な落ち度がないことは社長へのお手紙にも書きましたとおり、私も承知しております。売主と話し合う事もできました。(この売主の話し合いを通じて、あらためて、売主側仲介業者の対応のお粗末さが、より印象に残りました。)
その上で、二度とこのようなことがないようにとの願いから、出すぎたこととは思いながら、一購入者からの意見として再発防止策を提案、要望いたしました。
築数十年の中古物件を扱う場合には、安心して購入できるための手引書(買主と仲介業者が見ながら、チェックポイントを確認するなど)があれば、万が一このような問題が起きた場合でも、十分顧客が納得できるのではないか、と思ってのことです。
そして、前回の話し合いでマニュアルを作成し、見せていただけるとのことで、可能な限り誠意ある対応をしようと努力してくださっている印象を受け、これで区切りをつけようと思っていました。ですから、C様からメールをいただき、驚きとともにたいへんがっかりいたしました。
私が今回、御社について思ったことは、御社は受身で、買主から出された具体的要望に対してのみ、対応をしているように思います。もっと一歩すすんで買主の立場に立って考えるべきではないでしょうか?相手は素人なので購入前の問題点や購入後のトラブルの対応も、よくわからないのが実情ではないでしょうか?もっと積極的に顧客に情報を開示してお客さまのために、を貫いてほしいと思います。
私が本当に望んでいることは、会社内部の業務マニュアルを見る事ではなく、不動産購入の際、購入者が不測の事態に陥り、悩み、苦しむことがないよう、仲介業者が業務を全うしてくれることなのです。
どうか、今回作成されましたマニュアルを今後の業務に活かしていただきたいと思います。
そして、数ある仲介業者の中から御社を選んだお客様全員が、末永く幸せに暮らせるよう、お手伝いして差し上げてください。
社員全員が一致団結してよりよいX社となられますよう、今後の発展を陰ながら見守っています。」
その後、もちろんX社からは何の連絡もなく、HPなどを見ても特に変化はみられません。
私達の交渉はこのような形であっけなく終わってしまいました…。
私達は今回の事で、とても多くのことを学びました。
不動産トラブルなんてテレビでしか見ることがなかったことがまさか自分の身に起きるとは…。
私達のケースは、一般的な不動産トラブルに比べればそれほど大きな問題ではないかもしれません。それでも、私達にとっては大きな痛手でした。仲介業者を信用し過ぎだったのかもしれません。
まさかいくら築年数が古く土地値ほどの価格だからといって全く建物の調査を行わず、ましてや売主の言葉をそのまま客に伝えるとは…。私達も世間知らずでしたが…。
なんのために法律はあるのか、関係者のほとんどが「売却時の調査はほとんどの会社でしていない」という不動産業界の常識…。
また、できるだけ価格を安くするため、お客のためとはいえ、瑕疵担保責任免責での契約をすすめるのは、とても危険なことであると思います。買主を守ってくれる唯一のものなのですから。
何かトラブルがあったとき、当事者である素人同士では解決が難しいと思います。どちらも知識がなくそれぞれ生活もあります。私達は直接売主に訴えるのはやはり無礼な事ではないかと思いました。仲介業者側に落ち度があったのかもしれない、そう思い、仲介業者に連絡を取りました。こちらも初めは動揺していたので言葉がよくなかったかもしれませんが、2社が間に入ったことでますますややこしくなってしまいました。
特に売主側Z社の担当者の名刺には宅地建物取引主任者と2級建築士と書いていましたが、とても頼りなく、納得のいくものではありませんでした。すべての売主が家の状態を正確に把握できているか、正直にすべてを申告するかは疑わしいと思います。これでは何のための仲介業者なのか…。
X社は通常の契約を完了している私達の無理な要求にもなんとか答えようと努力してくれ、信用のおけるきちんとした会社だと思い、感謝していた矢先に、交渉が決裂してしまい残念でした。
今後は誠実にお客様のために法律を遵守し、職務を全うしてほしいです。
あの時、別の業者に依頼していれば…、横田さんに契約前に調査してもらっていれば…、あの時契約していなければ…、瑕疵担保免責で契約していなければ…今とは違う結果になったかもしれないと何度も何度も思いました。自分達の不勉強を悔やみました。まさに不徳の致すところ、反省もたくさんしました。
引渡しが近づき、普通なら家具やインテリアなどを選ぶ一番楽しい頃、私達は書籍やインターネットで家屋のシロアリ被害や不動産トラブルについて毎日調べていました。
引越し後も、横田さんに理想通りの自然素材の家にしてもらったのに、業者との交渉が続いていたため、うれしい反面、どこか気持ちが晴れませんでした。
ですが、横田さんが忙しい中、すでに家は引渡し済みで契約が完了しているはずの私達のために各所に奔走し親身にアドバイスをくださり、まさに地獄に仏、勇気をいただき前を向いてがんばろうと思うことができました。
横田さんのようにプロ意識が高く親身にクライアントの立場になってくれる建築家がいるということがわかり本当に救いになりました。
これからもっともっと横田さんのような高い理念をもった熱意のある建築家と誠実な不動産会社がたくさん現れますように、そしてすべての人が満足と納得のいく家を手に入れることが出来る世の中になりますように、そう願っています…。 |