| 1872年ドイツの科学者バイエルは、フェノールとホルムアルデヒドの化学反応によって樹脂と類似した素材が出来ることを突き止めました。それが合成樹脂・合成化学物質の誕生の瞬間です。それ以降、自然界にはまったく知られていない新しい素材を次々と作り出すことが出来るようになり、特に第二次大戦以降、建築資材は劇的に変化していきました。そして、欧米では80年代前半から、日本でも90年代あたりからシックハウス症候群という新しい病気が問題化されはじめました。シックハウス症候群・あるいは化学物質過敏症の怖さは、少量の化学物質でも長期間浴び続けていると体内に蓄積され、身体の受け入れる許容限度いっぱいになった状態で汚染されると発病の原因のなるということです。これは花粉症の例にも見られるように、現在元気な人でもある日突然アレルギー疾患陥る可能性があると言う事です。また花粉症を例に取ると、40年前は日本にほとんど患者がいなかったのに対し、現在では人口の20%以上の人が掛かっているといわれています。
シックハウス症候群・そして、その先にある内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)は、人間の細胞レベルの影響といわれ、これは、人類存亡に関係するかもしれない、とさえ言われています。さらに問題なのは、影響が出てからその原因物質を確定することは常に可能とはいえないことで、今のところ対策は予防しかありません。過去の水俣病・カネミ油症などの公害問題等のいつも被害者は弱者であり、失われた健康は二度と戻ってはこないのです。
またこのような結果が(静岡大学農学部研究報告)
ある環境が生命にとって快適かどうかは、発育や生存率からも判断できます。木材とコンクリート、金属で作った同じ大きさの箱の中でマウスに子供を産ませ、その成長を比較した実験が有名です。
外の気温が30度の場合は、差がほとんどありませんが、25度になると大きな差が現れました。生まれてから10日目での子マウスの生存率は木製が約87%だったのに対し、金属製では約42%、コンクリート製ではわずか7%だったのです。育成条件の違いは箱の素材だけだったのですが、このような結果が出ています。又生き残った子マウスの発育にも差が見られました。20日の時点で、コンクリートと金属のゲージで育てたマウスの体重が約8gだったのに対し木製ゲージのものは約10gの成長していたのです。しかも、木の箱以外では親マウスによる子殺しすら起きていました。というすごい結果が報告されています。他にもたくさんのいろいろな恐ろしい報告が出てきています。
私たちは、衣服を選ぶときの素材に対して何に重点を置くでしょう。例えば通気性のない化学繊維を選ぶとします。その繊維で作られた衣服は雨をはじくけど、身体の湿気が抜けないものだからすぐ汗びっしょりと、なってしまい又ほっておくとカビだらけになってしまいます。住まいも同様で、床・壁・天井に十分な通気性を持たせることで快適な室内環境を作り出すといえるのです。特に高温多湿の日本の気候風土では、湿気対策が大きな課題であり、昔の高床式の住居の見られるように、木や土壁などの呼吸する素材を用いた住まいが最も適しています。天然素材は、湿気が多ければ吸収し、乾燥すれば湿気を吐き出すと言う素晴しい機能を持っています。また反面、天然素材は気まぐれな面も持っています。例えば、床材の天然パインフローリングと塩化ビニール製品の合板を比較すれば、天然素材は一枚一枚の色にむらがあり木の収縮も激しく、木と木の間が空いてきますし、また床なりがすることもあります。これは天然素材特有の性質であり生きているという証拠であり、又時を得るごとに自然の持つ味わいと暖かみを出していく物です。合板フロアーの方は人工的につくられていますから そういったことはありませんが 身体に良くない物が入っていたり、作られた物ですから、呼吸などもしませんし湿度調節等の役割も無いです、(床なりはしますが)。
このようなことから、いかに安心して住める家として自然素材が大切かお分かりになったことでしょう。 日本人はその潔癖さから天然素材の気まぐれさを許せず、生きている木の収縮を欠陥商品としか見ることが出来ない考え方が今の化学物質だらけの住まいへと変貌させてしまったのかもしれません。 |